代表理事挨拶

2023年3月1日
代表理事 木浦 幸雄

一般社団法人日本インダストリアルイメージング協会は2005年に20社あまりの発起人会社が集まり、設立に関する準備を始めた時から活動を始めました。

マシンビジョン業界の標準規格化推進の為に2006年4月には中間法人法に則り日本インダストリアルイメージング協会として正式に設立、その後中間法人法の改定により、一般社団法人として運営をして参りましたが、本年を持って、活動開始以来18年の歳月が経つに至っています。

活動を開始して以来、当初からマシンビジョン業界に特化したカメラインターフェイスの専門委員会、カメラのプロトコルに関する専門委員会、照明やレンズ、カメラ仕様など撮像技術に関する専門委員会を立ち上げて活動をしており、その後、地方独立行政法人東京都立産業技術センター(TIRI)の協力のもとCoaXPress規格の高速伝送規格試験を定期的に開催し、また、ケーブル&コネクタ認証制度を設け、特殊環境での振動試験なども実施して、業界全体の規格の標準化推進に力点を置いて活動して参りました。

また、2009年には日本のマシンビジョン市場のみならず、海外の類似する協会団体との連携が重要であるということを認識しJIIAが音頭を取る形で、既に活動をしていた北米地区のAIA(現A3)、欧州地区のEMVAの3協会団体とアライアンスを締結(Global 3 Agreement)、業界標準化活動、及びその普及活動の一環として国内外のマシンビジョンに係わる会議、展示会に積極的に参加し、その活動には世界的な広がりが出てきました。その後、2015年ドイツ・VDMA、2019年中国・CMVUがG3の連携に加盟し業界標準化のグローバルな活動が一層推進されるに至っています。

設立以来、マシンビジョン業界に特化した技術の標準規格化活動を推進して参りましたが、ここ数年は情報通信ネットワーク技術の進化に伴い、マルチメディアに応用されるマシンビジョン技術から取得されるデータの重要性が一段と高まりを見せています。

その流れをいち早く感じ取ったJIIAでは、2021年JIIA内に国際規格推進委員会を設置し、総務省認可団体の一般社団法人情報通信技術委員会(TTC)に参画し、マシンビジョンサブワーキンググループ(MV SWG)をリーダーとして立ち上げ、情報通信技術の環境で利用されるマルチメディア応用専門委員会の傘下でより公的な活動の場を実現しています。

また、2022年からは総務省の承認、推薦の元、ジュネーブに本部を置く国連機関の一つである国際電気通信連合電気通信標準化部門(ITU-T)の日本国団の一員としてマシンビジョン技術を中心に国内外から提案、提示されてくる寄書への対応等の活動を推進しています。近々、JIIA発の標準規格がITU-Tで批准される日も迫ってきています。

現在、設立当時のメンバー数20社から、2023年2月末では120社を超える会員企業にご協力を頂くようになっていますが、設立メンバーを始め、その後参画頂いた会員企業の皆様にはひとかたならぬご支援を頂いております事に感謝申し上げます。

また、マシンビジョン技術を利活用頂いております各企業、業界の皆様には、これからも深化していくマシンビジョン技術の未来にどうぞご期待を頂きたいと存じます。

今後もJIIAは公正で公平な標準化技術の推進に邁進して、広くマシンビジョン技術が国際社会に貢献できるように活動して参る所存です。

以上